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2月1日。 布団をかぶって泣いた [あなたに エールをおくる]


  花蓮の第一志望校は、受験日が2月1日でした。当日は「わが子スペシャル」を準備し、朝食をすませて、塾の「毎日の計算」と花蓮がずっと取り組んできた「+αの計算」を終えて出発。
  試験が終わって出てきた花蓮は、ほんとうに全力を出しきったらしく、ふらふらでした。結果は聞かないで、「よくやったね」とかなんとか話して、家にたどりついたように思います。夕食についてはすでに失敗談を書きましたが、食べた気がしなかった。数時間後の発表が、待ち遠しくもあり、恐ろしくもあり……… どうしていいか、わからなかった。
  合格発表の時間の少し前にパソコンをたちあげてみると─── すでに合格者の番号が、発表になっているではありませんか!

  どきどきしながら、探したけれど、ない! 何度も見たけれど、やっぱりない!!

  第一志望校に「落ちた」ことを知った瞬間、花蓮は泣きました。泣きながら、別室に行って、布団をかぶって固まってしまった。
  あらゆる言葉をかけてみたけれど、ダメでした。そりゃ、親ですから、もしもの場合に備えて、自分なりにわが子にどんな言葉をかけたらいいかを考えてました。そして、手を変え品を変え、言葉を尽くして語りかけたけれど、まったく無駄でした。
  どんな言葉も、今の花蓮の心に届きはしないんだ─── それだけが伝わってくる。布団をかぶって、亀の子ちゃんになった花蓮は、「怖いよー」「もう嫌だー」「明日も絶対、落ちるー」と繰り返しながら、あんあん泣いていました。

 

  途方に暮れながら、一週間ほど前、4年生のころからお世話になっている塾の学年担当の先生と話したことを思いだしました。

  「2月1日からの本番は、私たち親子にとっては未体験のことです。経験したことのない日々だからこそ、どうしていいかわからないことにであうと思います。そのときは、どうぞよろしくお願いします」と。

  まさに、その未体験の出来事が起きている! 

  ともかく塾に電話を入れて、結果が残念であったことをクラス担当の先生に伝え、そして学年担当の先生にかわっていただいて、直接、花蓮の状態を伝えました。様子を聞いた学年担当の先生の言葉は、今でも忘れられません。

  「花蓮さんがそうやって布団をかぶって泣いているのを、手をたたいて喜んでる子たちがいるんですよ。ほくそ笑んでるんですよ─── ずっと、そうしてればいいって」

  言葉のあまりのドギツサに、ぎょっとしました。明かりを落としたリビングの四方に、そんなふうに喜んでいる子たちがいるような気がして、ぞっとしたことを覚えています。
  国語担当の先生でしたから、手厳しい、ここまでの言葉を、おそらくあえて選んで、お話くださったのだと思っています。親を奮いたたせるために。親がおろおろしていては、子どもは立ちあがれませんよね。亀の子ちゃんのままです。きれいごとですまない、中学受験の一面─── わが子をどう支え、勇気づけるか……… 。親もまた試されているんだと思いました。

  花蓮が布団をかぶって泣いていれば、どんどん睡眠時間は減っていきます。明日も受験だというのに─── 。そして明日の受験校が、わが子にとって「親として絶対に落としたくない学校」であれ、併願校の1つであれ、また単なるおさえ校であれ、その学校こそが本命─── 第一志望の子たちだっているわけです。何年間もかけて準備して、明日、本気で挑んでくる子たちがいる……… 。
  ぼんやりしてる時間なんて、一瞬だってないんだと直感して、先生と対策をお話ししました。細かい点は割愛しますが、大切なポイントは次の2つです。

どこまで気持ちを切りかえられるかが、勝負であること。
②中学受験とは結局のところ、どの子にとっても、この1日からの3日の間に、〇が1つとれるかどうかに尽きること。

  確かに〇が1つとれれば、心の余裕がうまれます。そして選択肢も広がりますよね。

 

 

切りかえ作戦  その1
「感情を放出させる」

  先生のおっしゃることはよくわかりました。そしてすぐには、気持ちを切りかえられないだろうことも説明をうけました。では、どうすればいいか。 

  まず、感情を吐き出させる─── 放出させることだと思います。涙が出るままにするしかない。亀の子ちゃんのまま、見守るしかない。
  その間、子どもの気持ちに寄りそうことが大切だと思います。コミュニケーションのテクニックの1つに「オウム返しの術」ともいうべきものがあるんですが、まさにそれです。花蓮が「怖いよー」と言えば、「そうだね、怖いね」と私。次に花蓮が「もう、嫌だー」と言えば「ほんと、嫌だよね」と私。子どもの言葉を、そのまま受けとめて、ただ繰り返すのです。時間の無駄だと思わないでくださいね。無理矢理に布団から引っ張りだしてこじれるより、はるかに効果的な方法だと思います。子どもが言うとおりに繰り返しているだけで、泣き声が小さくなっていったり、わめかなくなったり、そうしているうちに、少しずつ子どもの気持ちは落ち着いてくるはずです。

  ただし、「明日も絶対に、落ちる」と花蓮が言ったときだけは、「明日のことは、誰にもわからない」「やってみなければ、わからないと思うよ」と、できるだけ優しく言いました。

  30分前後が目安ではないでしょうか。
  号泣していた状態を脱出し、布団からようやく出てきた花蓮を、私は電話の前まで引っぱっていきました。結果がダメだったので、花蓮は学年担当の先生と話すことを嫌がりましたが、そんなときこそ何か言葉をかけていただけるのなら、聞くべきは花蓮であり、しっかりと受けとめてほしいと考えたからです。学年担当の先生の言葉を聞きながら、ようやく泣きやんだはずの花蓮の頬に一筋、また涙がこぼれました。
  「あのとき、先生にどんな言葉を言われたの?」と、聞いてみたのですが、花蓮は今、覚えていないと言います。ただ、「未練を残すな」というような内容だったそうです。
  未練を残さない─── 長い間、たくさんのことを我慢して頑張ってきたから、とても辛い。けれども、明日のためには「サヨナラ」が必要です。そして、「サヨナラ」が言えるようになるには、感情を吐き出すしかないのではないでしょうか。

 

 

切りかえ作戦  その2
「ホームページを活用しよう」

  塾の先生と直接子どもが話したほうがいいかどうかは、お子さんの性格にもよると思いますし、これまでの塾との関係も影響すると思います。必ずしも必要だとは思っていません。むしろ、わが子の気持ちを、明日へと切りかえる方向に、なんとかもっていくことが大切だと思っています。ですから泣き声が小さくなってきた段階で、チャンスを見計らって、「明日の受験校のホームページを見てみよう」と声をかけあげてください。

  うちでも泣きやんだ花蓮といっしょに、ふたりで明日受験する学校のホームページを見ることにしました。気持ちを切りかえるには、とてもいい方法だと思います。学校紹介のパンフレットよりも、ホームページを活用するほうが、はるかに効果が大きいと、私は思います。

  まず、いろいろなページを眺めてみてください。
  キャンパスのようすから入るのがいいですね。体育館や運動場、図書館など各施設を見てみる。またキャンパスの春、夏、秋、冬……… 季節の移ろいを、ただ繰り返し見るだけでも、気持ちが明るくなっていきます。
  ぜひ、校長先生のページも見てみましょう。女性か男性か、どんな印象か…… 。
  またその学校の創立や歴史にまつわる出来事や事物があったら(私学ですから必ずあるはずです)、そのページも読んでみましょう。

  そして、一番お勧めしたいのは、その学校の校歌を聞くこと。ぜひクリックして、聞いてみてください。音楽はものすごく、気分を変えてくれます。全部が聞けるわけではなかったのですが、流れてくる短いフレーズを、花蓮は何度も繰り返し聞きました。最後はふたりでいっしょに歌ってみました。ちょっと笑顔がこぼれ始めました。
  そして、もう1つ、忘れてはいけないのが、入学式の様子です。どんなカットでもいいから、入学式のページがあれば必ず、見ましょう。明日の受験校に入学(合格)するイメージがわいてきますよね。

 

  花蓮の場合は、校歌を聞いて歌っているうちに、完全に気持ちが動いたのがわかりました。最後には「お母さん、私、ここに行く」─── そう言って、明日の受験校の過去問を手にとって、花蓮はぱらぱらと見始めました。

  この段階で、もう一度、塾に連絡。「なんとか気持ちを切りかえて、今、明日の受験校の過去問を見ています」と話すと、「そうですか。よかったです─── 過去問見るところまで、切りかえられましたか。そこまでくれば充分です」との心強い一言。電話を切ると、あとはもう大急ぎで横になりました。でも、花蓮はなかなか寝つけなかったようです。「うとうとしてるうちに、朝になっちゃってた」とのこと。ですから睡眠時間は、3時間くらいでしょうか……… おそらく4時間は眠っていないと思います。

  そうして2日目の朝、出陣。ただし、塾の毎日の計算はやめることにしました。1日の花蓮の様子を見ていて、毎日の計算で1題でもつまずくと、その結果を引きずると感じたからです。このあたりは朝どんなメニューをこなしていらっしゃるか、また算数が得意か不得意かにもよると思いますが、わが子の様子を見て、親が判断していいと思います。
  花蓮は算数が不得意でしたけれど、それだけに、頭を起こすことだけはしたかったので、ずっと続けてきた「+αの計算」だけをやることにしました。結果的にはこれがよかったと思います。通常よりも朝早い時間ながら、そこそこのタイムでやり終え、しかも頭を起こすことができましたから。入試当日も、毎朝、やるべきことはもちろんやったほうがいい。でも同じくらい、不安につながることはやめたほうがいい。これも受験本番を体験して初めて痛感したことです。

  気持ちは切りかえたつもりでも、×をくらうと、そのダメージはただごとではなく、翌朝の景色が、美しい朝焼けなのにセピア色というか、どよ~んと暗い印象でした。息がつまりそうで、苦しかった。生きた心地がしませんでした。

  2日目の合格発表─── 合格者のなかに花蓮の番号を見つけたときはほんとうに嬉しかった! 花蓮は自分から塾に報告の電話を入れました。どよ~んとよどんだわが家の空気は、一気に明るく軽やかになっていきました。
  2日目の学校は、「親として絶対に落としたくない学校」でした。だから切りかえ作戦がうまくいって、合格できて本当によかった─── ごく最近まで、私はそう思っていました。でも、実はもう1つあったんです。親の立ち入ることのできない切りかえ作戦が。

 

 

切りかえ作戦  その3
「この学校に行きたい」という強い思い

  このブログを書くために、去年の入試本番のころのことを花蓮と話していたときのことです。
  「私、国語で大失敗しちゃってたんだ」
 と、いうではありませんか。初めて聞く話です。どういうこと?

  「国語の大型記述が最後まで書ききれなかったんだよ。時間切れになってくるとね、手が震えてくるんだ、私はね。面白いくらい、ほんとブルブル震えてくる。だから漢字なんてぐちゃぐちゃだし、まっすぐ書けないし、書き損じたところを消そうとするんだけど、やっぱり手が震えてるから、ヘンなとこ消しちゃったりして、よけいぐちゃぐちゃになったりする。公開模試でも、時間切れで手が震えて書ききれなかったときあったけど、そういうときって、国語の点数悪いんだよ。おまけに、漢字も間違った。
  国語は一番の得意科目だし、得点源なのに、それが不調に終わったから、動揺したし、すごくガックリした。甘い紅茶を飲みながら、もうダメだって思った。どうしよう……… 終わったなぁって。
  でもね、そのとき、私、絶対にこの学校に行きたいって思ったんだ。あんなに強く思ったことなかった。私はこの学校に行きたい。明日受験する学校なんて、行きたくない。私にはこの学校しかない。ここしかない─── それだけだった」

  花蓮の話を聞きながら、Nフレンズで会った女子学院の子の話を思いだしました。算数が苦手な花蓮にヒントがほしくて話を聞いたのですが、その女の子は入試本番、算数で大失敗をやったそうです。まったくできなかった。ダメだった。もう私の中学受験は終わった。そう思ったとき、「この学校に行きたい」と心底、思ったそうです。あんなに行きたいと思ったことはそれまでなくて、あとはもう死にものぐるいだったと。

 

  入試本番でまさかの失敗─── ピンチのときに、どう気持ちを切りかえるのか。
  最後の勝負は、子ども自身の、「この学校に行きたい」という思いの強さ、深さの闘いなのかもしれません。
  そこには、親は立ち入れませんよね。

  でも、前日の夜、ホームページを見ながら、わが子の背中をそっと押してあげることくらいはできるのではないでしょうか。音楽が好きな子なら「この学校の吹奏楽部はいいね」とか、本が好きな子なら「この学校の図書館はすごくたくさん本があるんだね」とか、水泳が大好きな子なら「この学校のプールで泳いだら気持ちよさそう」とか、逆に水泳が嫌いでプールがなかったら「プールがなくて、いいね」……… その学校でわが子が過ごしているイメージにつながる具体的な何かが見つかるといいなと思っています。

  大切なのは、子どもの気持ちが自然に動き出すのを待ってあげること。ホームページを見ながら、きっと何かを見つけるはずです。決して押しつけたり、誘導したりしないであげてほしい。親の言葉のニュアンスに、子どもは敏感です。

  去年を振り返ってみると、もう「頑張って」とか「しっかり」なんて、花蓮に私は言えませんでした。だって、充分頑張っている。よくわかってるわけですから。本番前に花蓮に言った言葉は、たぶん、こんな言葉だったように思います。

「最後まで、あきらめないでいこうね」
「いつも、応援してるからね」

 

  投稿が遅くなって、ごめんなさい。
  〇であれ×であれ、塾と連携をとって、素早く行動してくださいね。不安があったら、ひとりで抱えこまずに、何時でも、何回でも、塾に連絡をとって相談してみてください。遠慮する必要なんてまったくないと思う。この日のために、これまでたくさんの時間とエネルギーと、そして決して安くはないお金をお支払いしてきたのですから。親が親として、納得できるよう、後悔しないように行動してほしいと思っています。
  そして、ここに書いた切りかえ作戦がすこしでもお役にたてれば幸いです。

 

  いよいよ、本番─── お子さんの健闘を祈っています。
そして、わが子の成長を見守り続けてきたあなたに、私はエールをおくります。

  もう一度。何度でも。
  お子さんの健闘を祈っています!
  そして、あなたに、心から心から、エールをおくる!!

 

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ようこそ!

 

中学受験を終了されて、いろんな感想を綴ったコメントを送ってくださって、ありがとうございました。

お返事を書きました。
今は、おたよりのページの整理が追いつかない状態ですが、少し時間をかけて、また、「風は、うたう」のページにまとめていこうと思っています。

今日も、来てくださって
ありがとう。

                      <2012年 中学受験体験記>

[かわいい]ゆのさんへ [かわいい]輝ママさんへ 
[かわいい]さくらさんへ [かわいい]アルゴさんへ 
[かわいい]みどりいろさんへ [かわいい]chanchanさんへ

[かわいい]そして最後まであきらめないで
走り抜けたみなさんへ


長い長い間、ほんとうにお疲れさまでした。
親子で走り続けることって、いいときばかりではなくて、むしろ辛いときや、投げ出したくなるときのほうが多い。それが中学受験を終えたときの、私の率直な感想でした。
でも、それを最後までやりとおしたことって、すごいことなんですよ。─── そして走り続けた、おひとりおひとりの日々を思うと、ほんとうによくやってこられたと思います。

決して、結果ではない。後悔しないこと─── それが一番大切だと、私は思っています。だって、それが生きるということじゃないですか。


その大切さを伝えたくて、あえて「全落ち」という言葉を使って、今回の記事は書きました。後悔しない日々の先にこそ、必ず道は開けてくる。たとえ、いま涙を流そうとも、たとえ少し時間がかかったとしても………。 必ず道は開けると、私は信じています。

わが子の居場所が感じられる学校に進学された方も、また合否にとらわれずに、最後までお子さん自身の意志を尊重された方も、みなさんの手のなかには、その結果以上のものが、わが子との間に確かにあると感じていらっしゃるのではないでしょうか。

そして中学受験、道半ばのみなさん、どうか今日一日を大切に。
わが子との一瞬一瞬を大切に、過ごしていってください!

                      <2012年 中学受験体験記>

[かわいい]さくらさんへ
このブログを読んでくださるみなさんへ

さくらさん、このブログが心の支えだったと言ってくださって、こんなに嬉しいことはありませんでした。
わたしのほうこそ、ありがとう!

去年、中学受験を闘った私自身、正直、辛いことが多かった。
受験ですから、競争ですから、それにママ友をつくるのがあまりうまくない私にとって、試行錯誤の日々でした。

ひどく孤独ななかで感じたり、考えたり、また見つけた方法を、できるだけ多くの中学受験をするお母さん方に知ってほしいと思って綴りました。


ひどくムラのある投稿にもかかわらず、
アクセス解析をみると、深夜でも、早朝でも、どの時間帯も、いつも、何人もの方が必ず読んでくださっているということが、
このブログを書き続ける、私の心の支えでした。
心から感謝しています。ありがとう。

                      <2012年 中学受験体験記>

 コメントのお返事について

お便りのお返事のページが、「あなたに エールをおくる」のなかにあります。
最初、お返事はいつも、トップページに掲載し、そのあと、消してしまわずに、お便りのページに移動します。このブログを読んでくださっている、みなさんに向けたメッセージでもあるので。
タイトルは「風は、うたう」────いつでも、どうぞ、訪ねてみてください。

                      <2012年 中学受験体験記>

  風のように

さわやかに吹く風のようでありたい。
ブログデザインのイメージ「草原の風」は、私のテーマのひとつです。

                      <2012年 中学受験体験記>